【転職体験談】NTTデータからコンサルへ「エンドユーザーへの貢献にこだわりたい」
【インタビュー】NTTデータからコンサルへ「エンドユーザーへの貢献にこだわりたい」
今回はNTTデータから総合系コンサルティングファームに転職し、活躍されているNTTデータ出身者の方にお話を伺いました。
日本を代表するSIerに勤めていた中で、なぜ敢えて転職という決断をされたのか、また転職をされて後悔などはないか、などを中心にお話いただきました。
どのような方が会社に残った方が良いのか、また、どのような方が転職が選択肢になりえるのか、そういったお話もお伺いしましたので、今まさに、システムエンジニアの方でキャリアに悩んでいらっしゃる方にとって参考となれば幸いです。
ー本日はどうぞよろしくお願いいたします。まずは、経歴を簡単に教えて下さい。
新卒でNTTデータに入社し、システムエンジニアとして配属されました。7年間は金融系システムの基盤設計・基盤更改に従事し、次に業務アプリケーションの開発を担当し、大規模プロジェクトのリーダーとして300名のマネジメントを務めました。その後も別業界のシステム更改や機能追加案件に従事しました。10数年NTTデータに勤め、総合系のコンサルティングファームに転職しました。
ー転職を考えはじめたきっかけや理由を教えて下さい。
自分の取り組みが果たしてエンドユーザーのためになっているのかという疑問が湧き、もっとエンドユーザーへの貢献にこだわりたいという気持ちが強くなったからです。100名を超えるメンバーの貴重な時間をエンドユーザーが真に望むシステム開発に向けられているかという疑問がありました。実際、日々コミュニケーションを取る顧客の声を頼りにしていたのが実情で、「リリースを早めて欲しいと強く要望されたものが、残業を強いてまで本当にエンドユーザーも望んでいるのか?」という疑問が積もっていきました。
ー以前からエンドユーザーへの価値提供に疑問を感じていたということですが、過去にも転職を考えられたことはございますか。
入社4年目のタイミングで一度考えたことがあります。ただその時は私自身の経験が不足していたこともあり、その時携わっていたプロジェクトをやり切った方が市場価値が上がる、とエージェントから言われたため、踏み切らずにいました。結局そのプロジェクトをやり終えた後、元々やりたいと思っていた大規模プロジェクトのアサインが決まり、転職活動を辞めました。
ー今回の転職活動ではまず最初に何をされましたか。また、最終的に選んでいただいたのはなぜでしょうか。
最初は大手のエージェントに相談したのですが、毎回提示される求人が同じで事務的に感じている際に奥井さんと出会い、今回の転職活動を任せることにしました。
奥井さんに任せたいと思ったのは、売り切り型ではない支援だと感じたからです。今回限りの転職支援ではなく、転職した後のステップアップも一緒に考えたいというお話もあり、社外価値を高められるようにアドバイスをもらえることに魅力を感じました。
ー転職活動の中で何か苦労されたことはございますか。
あまり苦労はしなかったと思います。奥井さんから各ファームの特徴を内情も含めて教えていただいたことで、自分の経験を活かせそうな企業に絞り込めたため、効率的に転職活動を進めることができました。ただ強いて苦労を上げるのであれば、退職報告のタイミングですね。プロジェクトの途中で退職することもあり、なかなか退職を言い出せず、ギリギリになって上司に転職する決意を伝えました。最終的には上司からも応援すると言ってもらえたときはホッとしました。
ー今回最終的にはコンサルティングファームを選択されましたが、他に選択肢はありましたか。
ありませんでした。まず事業会社ではなく、それらを支援する会社で、これまで培ったシステム開発の経験やスキルを幅広く活かしたいと考えました。そうすると同じSIer業界かコンサルティングファームしかないと考えていました。また、SIer業界の多くは自社製品を持っており、製品ありきでのソリューションに縛られるといったことを懸念してNTTデータに新卒入社していたこともあり、転職するならコンサルティングファームしかないと考えていました。転職活動を通して、コンサルティングファームの仕事がどのようなものかを具体的に理解できるようになった上で、イメージと違っていたら現職に残るつもりでいました。
ー最終的には何を決め手に転職先を決めたのでしょうか。
コンサルティングファームに行くべきなのかということに関しては、転職活動で色々な方に話を聞いている段階から、実際にエンドユーザーに近い位置で、自分の仕事の結果を確認することができそうだと思えました。各社を比較していく中で最終的に現職を選んだのは、実際に働いている方との会話の中で、自分も一緒に仕事ができるイメージが持てたことです。外資系ではないところもあってか、前職とも会社の雰囲気が近く身近に感じたことも大きいです。年収も上がるということもあり、家族からも転職を応援してもらえたことも大きかったです。
ー転職活動を振り返ってみて、率直な感想をお聞かせください。
転職活動をしていて、SIerの経験が色々な会社・職場でも活かせることに驚きました。意外とSIerで働いている方は知らないと思います。
転職前は、前職の安定した立場を捨てて転職することに少し不安もありましたが、転職してから、この年齢になって学び直しつつ、日々を頑張れている実感があります。 加えて、前職では残業も多く、小さなシステムトラブルでも深夜対応になることや、休日にシステム本番リリースで出社することもあったのですが、現職では今のところそういうことは無く、家族からも転職してよかったと言われます。
ー入社後のギャップは何かありましたか。
前職では、コスト管理や協力会社の進捗管理、部下への指示出しが中心でしたが、現職ではクライアントが求める価値が何かを見極めつつ、論点整理からミーティングのセッティング・司会進行や議事録作成に至るまで、物事を進めるために必要なものを全てやるようになりました。また顧客が求めるバリューが前職のときよりも抽象的なことが多く、具体化や認識のすり合わせも苦労しました。
特に転職後最初の2か月は「顧客の求めるバリューとは何か・・」と自問自答する状態が続いたと思います。ただ顧客と一緒にプロジェクトを進める中で、直接評価をしてもらえた時は嬉しかったですし、頑張っていこうと思えました。
ー転職という決断をされましたが、逆にNTTデータでキャリアを積み続けたほうが良いタイプの方はどういった方でしょうか。
NTTデータは本当に色々なプロジェクトがあり、公募など人事異動で希望も出せるので、NTTデータでしかできないことを見つけられそうであれば残ったほうが良いと思います。
ーSIerの経験はコンサル業界でどのように活きそうですか。また、逆にSIer出身者がコンサル業界を目指して転職活動をする上での注意点があれば教えて下さい。
コンサルティングファームは大企業の顧客が多いため、すでに複数のシステムで業務効率化がされていますが、システム構成を軸に現状をすぐに把握できると思いますし、問題になりそうな箇所に当たりをつけるといったこともでき、SIerの経験は色々な場面で活かせると思います。
システム開発のPMO支援であれば、SIerから提示された提案内容や進捗状況などの妥当性を評価し、顧客にとって望ましい現実解へ咀嚼できますし、またユーザー部とIT企画部・SIerとを横断したプロジェクト管理をする際にも活躍できると思います。業務改善案件であれば、現状の業務フローをシステム接点から比較的スムーズに把握でき、改善にあたってシステム化した方が費用対効果が良いかどうかの検討・提案においても活躍できると思います。
ー最後に、今後どのようにご自身のキャリアを築いていきたいか、教えてください。
まずはクライアントの求める価値を正確に理解できるように、複数の業界知識と幅広い知見を習得し、仮説を元にしたコミュニケーションを繰り返しながら、コンサルタントとして自身の価値を高めたいと考えています。
将来的には地域活性化を支援していきたいです。コロナの影響によりシステムの重要性が浮き彫りになったと思うのですが、その際に多くの地域がシステムのノウハウを持っていないことにより機能不全となったと思います。身近なエンドユーザーに価値を届けていきたいという想いはぶれないので、システムの知見を活かして貢献したいです。